くれいしブログ くれいし歯科クリニックは休日(日曜日・祝日)も診療しています|岡山市 - Part 32

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ウイルスは、細菌やカビとは全く異なった微生物です。細菌やカビは、何かの栄養(食べかすなど)を見つけて、それを食べて繁殖します。でもウイルスは生きた細胞にしか興味がありません。ただ栄養があるだけでは生きられず、生きている細胞、例えば私達の身体の細胞に侵入して、寄生し乗っ取ることでしか生きられないのです。

口の中には食べかすや染みだした血液などの栄養がたっぷりとありますが、ウイルスはこれを全く利用できません。そのため口から入ってきたら、なるべく奥へと入っていって、喉や肺の細胞などに寄生します。これが「ウイルス感染」です。中には、感染したまま発症するチャンスを狙って何十年も細胞の中に潜伏するものもいます。例えば口唇ヘルペスなどを発症させるヘルペスウイルスがこれに当たります。

020それに対して、インフルエンザウイルスは感染するときをおかず爆発的に発症します。また、風邪のウイルスなどに比べても格段に感染力も強いため、恐ろしいウイルスです。
インフルエンザウイルスに感染しないようにするには、口に入ってきたらすぐに取り除くことです。また唾液の中に漂っていたり、粘膜の表面に溜まっていて細胞の中に入り込まないうちにうがいをして取り除いてしまいます。

そして歯磨きも有効です。口の中に溜まっているウイルスを取り除くことが出来れば発症を未然に防ぐことができます。

020_2歯磨きを怠って口の中で細菌が増えると、その毒素で粘膜が破壊されるため、そこからウイルスが入り込みやすいことが理由としてあげられています。
日頃から丁寧に歯磨きをしていると、口の中の粘膜を健康に保つことができます。虫歯や歯周病の予防が、同時にインフルエンザ予防につながるんです。

2013年8月05日|

口の中には、細菌だけでなくカビの仲間も住んでいます。口の中を調べると通常何種類ものカビが検出されます。
なかでもよく知られてるトラブルメーカーがカンジダ菌です。

ふだんはおとなしく目立たない存在なのですが、口の中が汚れていたり、宿主の体力が落ちたりすると、白い斑点状になって舌や上あごに広がります。

とくに気をつけていただきたいのが、入れ歯をお使いの方です。
肉眼では見えませんが、じつは入れ歯のプラスチックの表面はスポンジ状に穴が開いています。食べかすがつきやすく水分を含むので、カンジダ菌にとって絶好の住みかなのです。
カンジダ菌が入れ歯にくっついて増殖すると、デンチャー・プラークとよばれるヌルヌルができます。これはカンジダ菌の塊で、そのまま使っていると舌やあごが赤くただれ、ピリピリと痛むカンジダ症を起こしてしまいます。

さらにデンチャー・プラークが付着してから24時間ほどすると、プラークは熟成してバイオフィルムになります。バイオフェルムは丈夫な膜になり、洗浄剤の殺菌力がバイオフィルム内に浸透せず洗浄剤が効きにくいのです。入れ歯も歯と同様、毎日のこまめなケアが大切です。

また、カンジダ菌は他の細菌たちと同じように、日和見感染症を起こします。つまり健康な人にはなんともありませんが、体力の落ちた人に口内炎、食道炎、心内膜症などを起こすことがあるのです。高齢者の肺炎の原因にもなるので、日頃から口の中と入れ歯の清潔に気をつけていきましょう。

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2013年7月01日|

患者さんから「子どもに歯が生え始めたのですが、いつから連れてきたらいいでしょうか?」と聞かれることがあります。できれば歯が生え始めた時に虫歯のないうちに連れてきてください。
歯ブラシや歯医者さんのケアに慣れておくと歯医者さんを怖がらず、痛い思いもせず、結果的にお母さんにとってもラクだからです。

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またフッ素塗布も虫歯予防にはとても効果があります。

子どもの虫歯は年齢によっていくつかなりやすい場所があります。

① 0~2歳頃(おっぱいやミルクを飲んでいる頃)
おっぱいや哺乳瓶のあたる上あごの前歯の裏に要注意!

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② 3~5歳頃(乳歯の奥歯が生える頃)
汚れの溜まりやすい奥歯の歯間や溝に要注意!

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③ 6歳臼歯について
歯の豆知識第5回を参照してください

また仕上げ磨きをいやがるお子さんもたくさんいらっしゃいます。1日に1回でいいので機嫌の良い時間をみつけて丁寧に磨くように心がけましょう。

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また仕上げ磨きを嫌がる一つに上の前歯を磨く際、小帯に歯ブラシが引っかっかって痛がることが多いので、小帯を指で覆い当たらないように注意してみてください。

2013年6月10日|

みなさんはシーラントってご存知ですか?

シーラントとは?
歯を削らずにセメントで歯の溝の深い部分を塞ぎ、清掃できない部分を無くすことで虫歯を予防します。
簡単な処置(1歯3分程度)で終えることができます。
※保険でできる処置です。

いちばん最初に生えてくる永久歯で正式の名前を「第一大臼歯」(別名6歳臼歯)といいます。
大きく、溝が深く、がっちりとした力持ちで、“歯の王様“とも呼ばれます。
乳歯列の奥に乳歯の抜け変わりなしに生えて、しかもごくゆっくりと1~2年かけて生えてくるので生えていることに気づかないお子さんもめずらしくありません。
半分歯肉に隠れている生えかけのときは、歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすい状態。
この状態が長く続くうえに、6歳ともなると自立心が芽生え、親に仕上げみがきをなかなかさせてくれない年齢でもあります。
これらの悪条件が重なり、日本ではほとんどの方が大人になる前に、この大切な6歳臼歯を虫歯にしてしまっているのが現状です。
だから、この6歳臼歯が生え始めてきたころがシーラントを行うのに最適なのです!!


2012年11月02日|

歯の種

みなさんは、自分の口の中に生えてきた歯っていつ頃どこでつくられたか知ってますか?
どんなふうに育ってきたと思いますか?

人はお母さんのおなかのなかで10カ月くらいかけて赤ちゃんへと成長し産まれてきます。でも、産まれてきた赤ちゃんに、歯はまだ生えていません。
それでは歯はいつごろ、どこで作られるのでしょう?
産まれてきた赤ちゃんのあごの骨のなかでは、じつはすでにすべての乳歯と、一部の永久歯が作られはじめているのです。赤ちゃんのあごの骨のなかにも、将来どの歯になるかが決まった「歯の種」ができます。この種を「歯胚(しはい)」といいます。歯胚は、歯と、歯の周りの組織に育つ細胞が集まったものです。
お母さんのおなかのなかにいる赤ちゃんのあごの骨では、とても早い時期(妊娠7週ごろ)、最初の歯胚ができはじめます。この歯胚は乳歯の前歯(乳中切歯、乳側切歯)になります。10週までにすべての乳歯がすでに発生しているのです。

永久歯(大人の歯)は胎生14週目ころからできはじめます。出生後、乳歯が生えてからも永久歯は歯肉の中でゆっくりと時間をかけて成長していきます。

赤ちゃんの歯はマイナス1歳からつくられ始め、歯の性質の強さは、妊娠中のお母さんの健康状態や栄養状態が赤ちゃんの歯に大きく影響します。

歯の性質の強さは、「歯の石灰化(硬くなること)」で決まりますが、これを促進するのはカルシウムやリンなどのミネラル分。胎盤が完成し、胎児と母体が臍帯でつながるようになる4~5カ月ごろに胎児の歯の石灰化はどんどんすすんでゆきます。

この時期にお母さんの栄養状態が悪いと、赤ちゃんの歯が弱くなったり虫歯ができやすい性質になると考えられています。

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赤ちゃんに強い歯や骨をプレゼントするにはカルシウムが必要です。お母さんはおなかの赤ちゃんのためにも、カルシウムなどの栄養をバランス良く採ってくださいね。

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2012年9月03日|

<口呼吸とは?>
人は呼吸を無意識に行なっています。
普通は鼻で空気を吸って、鼻から吐きます。
しかし、最近は口から空気を吸って吐く人が増えてきました。
これを、口呼吸(こうこきゅう)と言います。
いつも鼻が詰っている人・口が開いている人・唇が乾きやすい人・喉が乾きやすい人は口呼吸の疑いがあります。
口呼吸をしていても自分では気づかない場合も多いので注意が必要です。

<鼻の役割>
なぜ、口呼吸が問題になるのでしょうか?
※鼻には空気清浄器の役割があります。
私達が吸い込む空気には、病原菌の50%~80%は鼻の粘膜に吸着され処理します。
※加湿器・加温器の役目をします。
冷たく乾いた空気でも、鼻腔で緩められ湿度を含んだ状態でのどまで到達します。
加湿が不十分だとは違法の粘膜になじみにくく酸素がスムーズに吸収されません。
※病原菌の繁殖を抑える
吐く息も、鼻腔を通ることで鼻腔を適度に乾燥させ、風邪のウィルスなどの病原菌の
繁殖を抑える効果を発揮します。
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<口呼吸はなぜいけないの?>
空気中には埃や細菌やウィルスや花粉・有害な排気ガス、そしてシックハウス症候群の原因物質など体に有害なものが含んでいたりします。
鼻呼吸では、綺麗な空気にして体に取り入れてますが、口呼吸では口から喉を通り肺に入っていきます。この時に、喉にある扁桃腺が直接ダメージを受けます。
その為、風邪を引きやすくなったり、喘息・アレルギー・アトピーなどが引き起こる引き金になることもあると言われています。
口の中が乾燥し、唾液の分泌が悪くなるため虫歯や歯周病が起こりやすくなります。
更に、歯並びを悪くして顔や体に歪みを生じさせることも!
子供達に関しては「集中力がなくなる」「体力がなくなる」などの、成長を妨げる原因にもなりかねません。

<口呼吸を改善するために>
●1~3㌢の高さの枕であおむけ寝を!
高すぎる枕は空気の通り道を圧迫して口呼吸を促進してしまいます。
頭がある程度沈むよう柔らかくフワフワで1~3センチ程度の高さの枕が良い!
素材は羽根がベスト!あるいは、後頭部と首との間に丸めたタオル(浴用サイズ)を当てて寝てもOK!
また、横向きやうつぶせ寝は鼻を圧迫して鼻呼吸を妨げるので必ずあおむけで寝ましょう。

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●鼻呼吸促進グッズを使用する
口にくわえて鼻呼吸を促すものや鼻に装着して鼻腔を広げるものなどさまざまな製品があります。
眠っている時は自分の力では改善できないので鼻腔を広げるテープやクリップなども市販されているので上手に使用されるといいでしょう。
乳児に関しては、おしゃぶりを早く取り上げないこと!
少なくとも3歳半くらいまではおしゃぶりを加えさせておくことをオススメします。

口呼吸をしていないか、自分も含め家族全員でチェックしてみましょう。
健康の為には、鼻呼吸という正しい呼吸法を身につけることが大切です。

2012年7月06日|

今回は「親知らず」についてお話したいと思います。
親知らずとは、奥歯のそのさらに奥に一番最後に生えてくる歯のことです。個人差がありますが、18歳~20歳頃に生えてくる方が多いです。一説では、人の一生が短かった頃はすでに親が亡くなっていなかった年齢であるため「親知らず」と呼ばれているそうです。
食 事が柔らかくなり、噛む回数が減ったなどの影響で、近年日本人の顎は小さくなる傾向にあります。親知らずが生える頃には他の歯が生え揃っていて、結果的に 親知らずが生えるスペースが不足する人が増えています。その結果、水平に生えたり傾斜して生えたりすると、痛みや腫れたりといったトラブルを起こすケース が増えています。

<親知らずのトラブル>

① 親知らずが隣の歯に引っかかり、両方の歯が虫歯になる。
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② 汚れがたまりやすくなり、歯ぐきが腫れる。
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③ ②が進行すると周囲の骨が失われ、第二大臼歯を支える骨が失われていく。
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④ 生えてきた第二大臼歯に親知らずが当たり、第二大臼歯も横向きになって歯並びが悪くなる。
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また一部分や全部が歯ぐきに埋まっている親知らずの場合が多く、抜歯をすると歯ぐきから頬にかけて相当腫れる場合がほとんどです。そのため、抜歯をすると 仕事や日常生活に支障をきたす可能性があります。また周囲の炎症が強いと抜歯はできません。いつでも抜歯ができるわけではないのです。
腫れることを前提に早期に抜歯をしないと、「痛むのに抜歯できない」「大事な仕事があるのに腫れが引かない」といったことにもなりかねません。特に女性の方は妊娠中に痛み出すケースが増えてきています。妊娠中はレントゲン撮影や服薬を避けたい時期なので問題は深刻です。
みなさんの親知らずはいかがでしょうか?心配なときは歯科医院にご相談ください。なお、親知らずの根の先端は「下歯槽神経」という神経に接している場合があります。その際には安全に抜歯をするためにCTなどの検査が必要となります。

2012年3月06日|

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歯の豆知識第2弾、今回は「歯ブラシで感染予防」についてお話します。

 

感染症予防の定番といえば「手洗い・うがい」ですが、歯みがきをしないでいて(あるいは雑に済ませていて)、食べカスが残って栄養がたっぷりあると、私たちのお口の中は温かく、常在菌という口の中に住みついている細菌やカビの繁殖にもってこいの環境になります。常在菌が増えると、いくら唾液に抗菌作用があるといっても、その力だけでは増殖する常在菌のパワーに太刀打ちできません。こうして起きる感染症が歯周病や虫歯です。

また、私たちの体力(免疫力)が低下したときには、普段おとなしくしている常在菌がスキを突いて活発になり、全身症状をともなうさまざまな感染症を引き起こすことがあります。なので、口の中の常在菌が増えていると、感染症によるリスクがますます高まってしまうので、歯みがきによる感染予防が欠かせないのです。

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また、歯みがきはインフルエンザの予防にも一石二鳥で効果があります!
インフルエンザウイルスに感染しないようにするには、まだ唾液の中に漂って いたり、粘膜の中に入り込まないうちに、口に中に入ってきたらすぐにうがいをして取り除くことです。そして、歯みがきをして口の中に留まっているウイルス を取り除くことができれば発症を未然に防ぐことができます。歯みがきが足らず、歯周病になっていると破壊された粘膜からウイルスが浸食しやすいので、日頃 から丁寧に歯みがきをして口の中を清潔に保っているとインフルエンザウイルスの感染のリスクも減らせます。虫歯や歯周病の予防が、同時にインフルエンザ予防に役立つなんてうれしいですね。

歯みがきは、虫歯と歯周病の予防のためだけにあるのではありません。全身の健康のためにでもあるのです。歯科医院で定期的なクリーニングを受け、自分では取りきれない汚れをしっかり除去することをおすすめしています。口の中を清潔に保ち、健康に過ごしていきましょう。

2012年1月30日|