歯の豆知識第2弾、今回は「歯ブラシで感染予防」についてお話します。
感染症予防の定番といえば「手洗い・うがい」ですが、歯みがきをしないでいて(あるいは雑に済ませていて)、食べカスが残って栄養がたっぷりあると、私たちのお口の中は温かく、常在菌という口の中に住みついている細菌やカビの繁殖にもってこいの環境になります。常在菌が増えると、いくら唾液に抗菌作用があるといっても、その力だけでは増殖する常在菌のパワーに太刀打ちできません。こうして起きる感染症が歯周病や虫歯です。
また、私たちの体力(免疫力)が低下したときには、普段おとなしくしている常在菌がスキを突いて活発になり、全身症状をともなうさまざまな感染症を引き起こすことがあります。なので、口の中の常在菌が増えていると、感染症によるリスクがますます高まってしまうので、歯みがきによる感染予防が欠かせないのです。
また、歯みがきはインフルエンザの予防にも一石二鳥で効果があります!
インフルエンザウイルスに感染しないようにするには、まだ唾液の中に漂って いたり、粘膜の中に入り込まないうちに、口に中に入ってきたらすぐにうがいをして取り除くことです。そして、歯みがきをして口の中に留まっているウイルス を取り除くことができれば発症を未然に防ぐことができます。歯みがきが足らず、歯周病になっていると破壊された粘膜からウイルスが浸食しやすいので、日頃 から丁寧に歯みがきをして口の中を清潔に保っているとインフルエンザウイルスの感染のリスクも減らせます。虫歯や歯周病の予防が、同時にインフルエンザ予防に役立つなんてうれしいですね。
歯みがきは、虫歯と歯周病の予防のためだけにあるのではありません。全身の健康のためにでもあるのです。歯科医院で定期的なクリーニングを受け、自分では取りきれない汚れをしっかり除去することをおすすめしています。口の中を清潔に保ち、健康に過ごしていきましょう。